災害対応運営ゲームSUG 🄬

S災害対応 U運営 Gゲームの頭文字を取ったもので、「すぐ」と読みます。


災害対応運営ゲームSUGとは

災害発生時に地区でどう動くか、地区をどう動かすか

 本ゲームは、大災害発生時の地元地区での現場活動(共助)、要配慮者の保護、地区災害対応本部の運営等を模擬体験するゲームです。

プレイヤー7人程度で構成するグループを複数作り、それぞれが地区の災害対応本部となり、得られた情報を元にして住民の安否確認を行いながら、今いる人の中から活動できる人を探し出し、初期消火、救出救護、危険箇所への立ち入り禁止、道路復旧、要配慮者保護などをカードを動かしながら行います。

 並行して世帯名簿を使って安否及び人的・物的被害の集計を行い、市町村災害対策本部に報告する被害状況集計表を作成するところまで行います。

 地図、掲示板、一覧表(名簿)を使って災害対応本部運営のノウハウを身に付けます。 

開発の背景、効果

地区防災力の低下

 近年の産業構造や就業形態の変化により、多くの世帯が共働きとなり、地元で働く人は引き続き減少し、加えて少子高齢化の進展により、防災の担い手も減少し地区防災力は長期的に低下傾向にあります。

 こうした中で、大地震等が発災した場合、防災活動を円滑に行えるかが大きな課題になっています。 

 大災害発生時の行動イメージ

 大地震等発生時の活動については、自主組織運営マニュアル、自主防災活動手引き等名称は様々ですが、多くの市町村でマニュアルが整備されています。

 このマニュアルには一般的に総務班、情報班、消火班、救急救助班、避難誘導班、衛生班等を組織して対応を行うことが記載されています。

 しかし、これらの班が全体としてどのように関連して動くかについては、それを確認、検証するための訓練はほとんど行われておらず、イメージできないのが現状ではないでしょうか。

これまでの 訓練

 これまで地区では消火訓練、可搬式ポンプを使った放水訓練、応急手当、避難誘導、炊き出し訓練、黄色い旗等を使った安否確認訓練などが行われてきました。

 しかし、これらの訓練だけで地区の災害対応活動全体を理解、イメージすることは困難です。

 防災活動を俯瞰的に理解できる訓練

 そこで、大災害発生時の混乱した状況の中で安否確認を行いつつ、人的・物的被害情報を収集し、被害の全容を把握したうえで地区としてどう災害対応にあたるかをシミュレーションするような訓練、地区の災害対応活動全体を俯瞰的に理解できる訓練として災害対応運営ゲームSUG®を開発しました。

 期待される効果

・ゲームを実施することにより、地区の災害対応力が向上するとともに、ゲームでは被害情報の集計から市町村災害対策本部への報告まで行うので、地区から市町村災害対策本部に被害情報を迅速に報告することが可能になります。市町村災害対策本部にとっては、地区の被害情報を取りに行かなくても集計が可能になります。

・また、自主防災組織未結成地区にあっては結成促進のツールとして活用でき、地区防災計画の策定促進にも寄与することが期待されます。

災害対応に対する共通認識の醸成と話し合いができる環境の実現

 ゲームを体験することで地区の災害対応活動についての共通認識が醸成されるため、防災についての話し合いが深いレベルでできるようになることが期待されます。

 避難所HUGが開発される前は避難所についての共通認識がなかったため避難所運営について話し合うことそのものが難しかったと思われますが、HUGが開発されてからはゲーム参加者の間に共通認識が醸成されたため、話し合いやすくなったのではないでしょうか。これと同様のことが期待されます。

👇ゲーム風景の動画は一番下にあります。


ゲームの内容

・舞台となるのは、50世帯弱の家が立ち並ぶ地区。

・8世帯で構成される班が6班あります。

・乳幼児、妊婦さん、高齢者世帯、一人暮らし高齢者、障害のある人など、さまざまな人が住んでいます。

・ミニ公園がある一角に集会所、防災倉庫などがあります。災害発生時は、ここにテントを張り災害対応本部を設置することとなっています。 

・よく見ると、倒壊した家屋、傾いた家屋、屋根や窓に被害を受けた家屋があります。

・負傷者や家の中に取り残された人がいるのではないかと心配になります。

 



 

 

ゲームはミニゲームと本ゲームに分かれます

 ミニゲームは、、本ゲームを縮小したものです。

  先にミニゲームで本ゲームで行う作業をひと通り体験してから本ゲームを行います。

 


 

 

 

準備

・情報カード、人カード、資機材カードを配置します。

道路上にいる人(青カード)は、地震に驚いて屋外に様子を見に出た人たちです。

・敷地内にいる人(青カード)は、負傷や下敷き等、なんらかの理由で屋外に出られない人=救出が必要な人です。

・赤の情報カードは、火災、倒壊家屋の下敷き等の重要情報で、一番最初に内容を確認します。

・緑の情報カードは、各世帯、被害があった道路上に置かれています。

・資機材カード(黄色)は、防災倉庫に置きます。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救出救助

・複数の負傷者、家の中に取り残された人等がいますが、どこから手をつければよいのでしょうか。

・今いる人の中から活動可能な人を見つけ、必要な資機材を持って現場に向かいます。

・そのお宅の前の道路に人と資機材カードを配置したら、タイマースタート!

・時間が来たら救出完了とします。

・ひとつの現場が終わったら次の現場に移動します。


 重要情報、救出情報等については、ホワイトボードに班別に張り出して共有します。

 今地区で何が起きているか、救出待ちの人、救助済みの人などがわかるようにします。

 また、人命等にかかわる重要情報は市町村災害対策本部に通用した記録も掲示します。


 

 

安否確認、被害集計

・世帯名簿を使って安否確認を行います。

・家屋の被害状況も記入します。

・最終的には、地区全体の集計を行い、市町村災害対策本部に集計結果を報告します。


ゲーム風景

 とても賑やかにゲームを進めています。

 情報カードをめくってそこに書かれた家屋の被害状況を住宅地図と世帯名簿に記入、同時に住民の安否も世帯名簿に記入していきます。

 地震後に自宅前の道路に出てきた人のうち要配慮者は集会所で保護し、それ以外の活動できる人たちで家の中に取り残された人の救出活動、道路の復旧等を行っています。

 また、重要情報については掲示板に張り出していきます。

 このように、地図、掲示板、名簿を使って情報のとりまとめ、共有をしながら災害対応本部を運営する手法を提案しています。


開発初期の動画ですが、ゲームのイメージがよくわかる動画です。

現在は、カードや図面等の一部が変更されています。